てんびん千両… てんびん千両…
肩に喰い込む天秤棒の重荷に堪え、汗とホコリにまみれた逞しい顔の青年が、険しい山道をあえぎつつ、何やらつぶやきながら登って行きます。
江戸・明治時代、この近江・五個荘の地から、革新的な商法と不屈の精神、そして何よりもお客様の喜ぶ笑顔を心の糧として、全国津々浦々に行商し、やがては豪商へと出世していった近江商人たち。
この近江商人博物館では、夢かなえびと、近江商人のその成功への軌跡を解き明かしています。
近江商人を育んだ土壌とは何か、彼らの商法とは、教育とは、精神とは、そしてその文化とは何かを、物心両面の意味を込めた「みち」を展示のコンセプトとして解説しています。
展示の構成は、古代・中世・近世・近代・現代・未来と年代順に、近江商人の発生前史から隆盛期、そして永遠の未来へと続く近江商人の全貌を、やさしく簡単にまとめています。
展示解説には映像や模型・レプリカを多く採用し、楽しく親しみやすい内容となっています。